量産工場にサンプルを依頼する理由とは?
【サンプル工場との違いを解説】
アパレル商品の製作では、
**「サンプルはサンプル工場で作るもの」**と思われがちです。
確かに試作用として形を確認するだけであれば、サンプル工場でも問題ありません。
しかし、量産する前提のサンプルの場合には、
本番を担当する量産工場でサンプルを縫うことがとても大切です。
この記事では、
「なぜ量産工場にサンプル依頼をする必要があるのか」について、
わかりやすく解説していきます。
サンプル工場と量産工場の違い
サンプル工場は「試作の専門」。
多様なミシン設備や縫製技術で、幅広いアイテムに対応できるのが特徴です。
一方で量産工場は、
量産を前提に効率よく・安定した品質で縫製することが得意。
工場ごとに設備やミシン、得意とする素材や方法が異なります。
どちらも重要な存在ですが、
“量産をする場合” には、サンプルの役割が大きく変わってきます。
量産工場でサンプルを作るべき理由
1. 本番と同じミシン・同じ縫製仕様で確認できる
サンプル工場と量産工場では、
使っているミシンや設備が異なることが多く、
同じ仕様でも仕上がりの表情が変わることがあります。
・ステッチの見え方
・糸の調子
・アイロンの仕上がり
・微妙な縫い代の処理
これらは、工場ごとのクセや設備で違いが出てしまいます。
そのため、量産前に本番と同じ環境で試作することがとても重要です。
2. 量産時のトラブルを事前に発見できる
サンプル工場で作った商品は、
形としては成立していても、量産工場で再現できるかどうかは別問題です。
・この仕様は量産工程で無理がないか
・縫製中に歪みやすい部分はないか
・工程が複雑すぎて時間がかかりすぎないか
量産工場でサンプル製作を行うことで、
実際のラインを想定したチェックができ、
本番でのトラブルを大きく減らすことができます。
3. 量産時の品質を正しく予測できる
量産用サンプルは、
工場にとって“量産の見本”になります。
ミシンの動き、縫い方、仕上がりの雰囲気など、
「本番の完成イメージ」を正確に共有するための大切なステップです。
ここで差が出ると、
「サンプルと量産品の印象が違う…」というトラブルにつながってしまいます。

サンプル工場での試作が悪いわけではありません
もちろん、
サンプル工場で形を作ってみること自体はまったく問題ありません。
ただし、
量産前の最終確認サンプルについては
必ず 量産工場でのサンプル作成が必要 というのがポイントです。
まとめ:量産するならサンプルは量産工場で!
試作だけならサンプル工場でもOK
でも量産前のサンプルは、本番を縫う量産工場で作るべき
理由は「設備・ミシン・工程が違うから」
本番に近い状態で確認できるからこそ、安心して量産に進める
量産工場でのサンプルは、
商品づくりの完成度を左右する、とても大切な工程です。
工場選びや進め方で迷った時は、
どうぞお気軽にご相談くださいね。


